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IEEE802.11ax 主な特徴
これから主流になるであろう次世代無線LAN通信規格「IEEE802.11ax」についてメモさせて頂きます。
IEEE802.11axは対象周波数1~7.125GHzまで全てのISM帯域で動作するように設計され、既存の5GHzと2.4GHz両方の帯域に互換性をもたせた次世代通信方式、2017年~2018年主流だったIEEE802.11ac(5GHz帯のみサポート)の改良規格で最大の特徴は9.6Gbps(理論値)と言う圧倒的な高速接続速度。
5GHzと2.4GHz帯それぞれ互換性を持つと言うことは既存の802.11acはもちろんa/n/g/bとも接続させることを可能としている。
MU-MIMOの仕様は、IEEE 802.11ac規格と基本的には変わらず、エクスプリシット・ビームフォーミングも引き続きサポートする。ただし、11acが最大4ユーザーまでの同時接続だったのに対し、11axでは同時接続が8ユーザーまでに拡張される。
詳細な技術資料はシスコシステムズが公開している以下のページをご覧ください。
https://www.cisco.com/c/dam/global/ja_jp/products/collateral/wireless/white-paper-c11-740788.pdf
IEEE802.11axに対応する製品は?
IEEE802.11axを含むb/g/n/a/ac規格対応のWi-Fiルーターは2019年9月時点ではASUS製品の「RT-AX88U」のみででしたが、2021年12月25日現在では主要なルーターメーカー「バッファロー・IOデータ・エレコム・Aterm・NETGEAR・Linksys・TP-Link・ASUS」から各種取り扱いされています。
但し、802.11ax対応製品(Wi-Fiルーター)でも価格の安い廉価版は肝心の2.4GHz帯802.11axをサポートしない製品が混在するので製品選びは慎重に。よくわからない場合はコメント欄にご質問くださればお調べ致します。
一方クライアント(802.11acに対応するパソコンやスマホ)は2021年初め頃からリリースされる製品は概ね対応しますが、販売価格の安いスマホやパソコンは従来の802.11b/g/n(2.4GHz帯限定)にしか対応しない製品もあります。
ただ一概に5GHz帯のWi-Fiに対応していない場合は悪い製品ななの?と言うわけではありません、2.4GHz帯の方が電波が遠くまで飛びますし、802.11nモードでも最大速度150Mbps(300Mbps)ものトラフィック容量があるので動画も不自由なく楽しむことができます。
IEEE802.11ax(5GHz帯)で繋ぐ最大のメリットは巨大なトラフィック容量で理論値最大9.6Gbpsで繋ぐ事ができる環境を構築できると言う事になる。
パソコンやプレイステーションを802.11axで繋ぐには?
802.11axのWi-Fi接続速度は理論値最大9.6Gbpsだが、実質9.6Gbpsに対応するインターフェースが2019年時点では少なく
仮にUSB3.0/3.1対応の802.11ax無線LANアダプターがリリースされたとしてもインターフェース速度は5Gbpsとされているのでオーバーフロー。
802.11axを無線LANイーサーネットコンバータさせても1000BASE-Tでは1Gbpsのトラフィック容量しか無いのでコンバート方法でもオーバーフローになってしまうことを考えると。
事実上端末内部に無線チップを内蔵させないと9.6Gbpsもの転送速度をもたせる事ができないと予想されます。
802.11axを導入するメリットは?
802.11axを導入するメリットは速度的な事では無いようです
IoT対応家電が今後増える事を見越してパケットの渋滞をなるべく発生させない事を目的としている様でスループット処理能力向上を重視した通信規格。
メリット的には簡単な所で表現するとオンラインゲームのラグが大幅に低減する、防犯カメラの映像が止まったり高速で早送りされたりせずにスムーズに映像を確認できるようになる、ネットTVの映像がぐるぐる回るアイコンで止まる事が少なくなる等。
ただし、この環境を構築するには上でも述べたとおりWi-Fiルーターと端末側がIEEE802.11axにそれぞれ対応している必要があります。
802.11ax 電波の強さは?
電波の強さは2.4GHzと5GHz帯デュアルバンド対応なのだが、基本的に電波の強さはWi-Fiルーター本体依存になるはずです。
今回TP-Link「Archer AX10」(5GHz帯のみ802.11ax対応)とASUS「RT-AX55」(802.11axデュアルバンド対応)2つの製品を用意して、それらを1階に設置し2階と3階での電波強度をWi-Fiアナライザーを使って計測してみましたので、何かの参考になれば幸いです。
写真左がTP-Link・右側がRT-AX55です。802.11axの電波強度を調べるだけなのでWAN側は切っています。
それぞれのSSIDと帯域の関係は次の通り
TP-Link Archer AX10 | ASUS RT-AX55 | |
5GHz帯 | TP-Link_B8A8_5G | ASUS_D8A |
2.4GHz帯 | TP-Link_B8A8 (802.11ax未サポート b/g/nのみサポート) | ASUS_D8 |
住居(2・3階)件店舗(1階)の店舗にWi-Fiルーターを2台設置し電波強度をWi-Fiアナライザーで計測しました。
端末は802.11ax(2.5GHz/5GHz)対応ノートパソコン「ThinkBook 14 Gen 2 」とスマホは「OPPO Reno6 Pro+ 5G」の2台。
電波強度はdbm値で調べています。dBm値の数値目安は次の表をご確認ください。理想は-40dBmでかろうじて繋がる値は-70dBm(不安定も繋がる)前後で-80dBm(トラフィック容量が非常に細くなる)はほぼ繋がっていない状態だと判断して良い。
出典「https://www.ibsjapan.co.jp/tech/details/metageek-solution/wifi-signal-strength-basics.html」より
2階・Wi-Fiアナライザー計測結果
まず2つのWi-Fiルーター真上の2階で計測したdbm値です
パソコンでの電波強度計測結果です。
ASUS_D8A:5GHz帯 -75dBm~-79dBm (やや不安定)
ASUS_D8:2.4GHz帯 -70dBm -82dBm(不安定)
TP-Link_B8A8_5G:5GHz帯 -75dBm~-76dBm(変動小さいが弱い)
TP-Link_B8A8:2.4GHz帯はIEEE802.11b/g/nのみサポートで参考値にならない
資料は両隣がマンションのため無数にSSIDをキャッチする為、複数枚の画像になってしまいました、ご了承願います。
スマホでの計測結果です。
ASUS_D8A:5GHz帯 計測不能
ASUS_D8:2.4GHz帯 -83dbm(弱い)
TP-Link_B8A8_5G:5GHz帯 -84dbm(変動小さいが弱い)
TP-Link_B8A8:2.4GHz帯もIEEE802.11b/g/nのみサポートで参考値にならない
OPPOスマホはもともと感度が悪いのか、検出できるSSIDの数が非常に少ない。
3階・Wi-Fiアナライザー計測結果
IEEE802.11axと言えど流石に5GHz帯は届かなかったのだが、ASUSの2.4GHz帯は-77dBmとギリギリだけど安定的に電波が飛んできました(スマホは-89dBm)。
パソコンでの電波強度計測結果です。
ASUS_D8A:5GHz帯 -75dBm~-79dBm (やや不安定)
ASUS_D8:2.4GHz帯 -77dBm(弱い)
TP-Link_B8A8_5G:5GHz帯 計測不能
TP-Link_B8A8:2.4GHz帯 計測不能
スマホでの計測結果です。
ASUS_D8A:5GHz帯 計測不能
ASUS_D8:2.4GHz帯 -89dbm(弱い)
TP-Link_B8A8_5G:5GHz帯 計測不能
TP-Link_B8A8:2.4GHz帯 計測不能
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