2013年頃からインターネット事情が大きく変化を迎えました。特にインターネットイコールパソコンと言う事ではなくなりつつありまして、スマートフォンやタブレットにテレビにビデオレコーダーそれにWiiUや3DSそれにPS4にPSVITA等、これら全てインターネットに繋いでオンラインとして初めて真価を発揮する製品ばかりになってまいりました。
加えて最近ではクラウド型人工知能を持つ対話型ロボットも市場に増えつつあり、この対話型ロボットもインターネットに繋ぐ必要があったりと、一言でインターネットと言ってもパソコンのみの世界ではなくなってしまっております。
その中でも最近本当に多くて困っているのですが、「お勧めの無線LAN親機」を教えて欲しいと言う相談がとても多いのです。
しかも、皆さんPPP(ポイントゥポイントプロトコル)と言う言葉を聞いたことも無い世代の方が質問してくるので、最初から説明するのが大変です。また無線LAN親機を購入する時何処に注意すれば良いのか?、設定は簡単か?、何処のメーカーが良いのか?等。説明するのが大変なのでここにまとめさせて頂きますので、もしWi-Fi無線LAN親機で何を買えば良いのかわからなければ参考にしてみてください。
Contents
無線LAN親機を選ぶ時の一番気をつけるべき点
無線LAN親機限らずネットワーク機器を買う時ここに一番注意して欲しいのです。
それは、有線WAN/LANの対応速度です。製品パッケージや無線LAN親機の製品ページの「製品の仕様」と言うページに必ず記載があるので次の文字がある事を確認して下さい。
1000BASE-T
これはLANの規格を示すもので、10BASE-Tと100BASE-TXと1000BASE-Tの三種類が存在します。ブロードバンドインターネットが普及し始めた頃は10BASE-T/100BASE-TXの製品が多くありましたが、最近ではインターネット接続速度が1000Mbpsまで引き上げられていることが多く、またCATVインターネットと言うケーブル回線を使うインターネットも速度が160Mbpsであったり、フレッツ光ネクストでは200Mbpsであったりと、絶対に1000BASE-Tの製品では無いとトラフィック損失を招いてしまいます。
理由は10BASE-T/100BASE-TXしか対応しないネットワーク機器は接続速度が100Mbps(全二重)が上限となってしまうので、幾らフレッツ光の1Gbpsを導入したとしても、10BASE-T/100BASE-TXしか対応しない製品では100Mbpsまでしか速度が出ないからです。ここは本当に気をつけて下さい。
何処を見れば良いのでしょうか?
製品の化粧箱なら横か後ろに記載されています。例えばエレコム製品であれば横に書いてます。
この様にWAN/LANの対応規格が記載されています。1000BASE-T対応としっかりと書いてますよね。中には10BASE-T(最大速度10Mbps)、100BASE-TX(最大速度100Mbps)までの表示しかない製品が多数混在します。
また、WANとLANの規格が異なる製品もあります。例えばWAN側は1000BASE-TだけどLAN側は10BASE-T/100BASE-TXにしか対応していない等。でもこの場合はまだましです。802.11nモードのWi-Fi接続で300Mbpsは必ず速度を出すことが出来るのでトラフィック損失はある程度低減される。
補足、WANとはワイドエリアネットワークを意味します。つまりインターネット。LANとはローカルエリアネットワークを意味します。宅内通信環境を意味します。
WEBサイトで見るには、例えば人気のバッファローさんの製品であれば、無線LAN親機の製品一覧ページからどれでも良いので製品を開くと次のリンクがあります。
http://buffalo.jp/product/wireless-lan/ap/
「仕様」と言うリンクがあるので開くと確認できます。
ページ中程に記載されています。バッファローの場合InternetがWANを意味します。
上記の要件さえ気をつけて頂ければ、後は無線LANなんてどれでも同じの様な気もしますが、ここから細かく何がどう適しているのか説明させて頂きたいと思います。
無線LANの周波数帯5GHzは重要なの?
Wi-Fiの速度を気にされる方がとても多いのですが、基本的に5GHzだからと言って速度が速いとは限らない。多くの端末はWi-FiAlliance規格基準なので次の無線規格には必ず対応している必要があります。
IEEE802.11b(2.4GHz) 最大速度11Mbps
IEEE802.11g(2.4GHz) 最大速度54Mbps
IEEE802.11n(2.4GHz/5GHz) 最大速度150Mbpsより
IEEE802.11a(5GHz) 最大速度54Mbps
IEEE802.11ac(5GHz) 最大速度433Mbpsより
スマートフォンにしてもPS4にしてもパソコンにしてもテレビにしても対話型ロボットにしても、内蔵Wi-Fi機能は必ず802.11bに対応しており802.11gに対応しており、それの拡張として802.11nや5GHz帯の802.11n/a/acに対応している5GHzと言う概念にとらわれず何処が基本的で重要なのかを踏まえて無線LAN親機を選ぶようにして下さい。
また私がテストした結果ですが5GHz帯は非常に電波が弱い、電波が遠くまで届くのは2.4GHz帯なので利便性から考えても5GHzを重視する必要は更に無いと言うことになります。
無線LAN親機メーカーの特徴
設定の方でも意外と癖があったり初心者にはとても敷居が高い製品が存在します。
まず最初に申し上げます。初心者様が買ってはならないのが「PLANEX」と「Apple」の製品です。PLANEXの製品は私も手を焼きます、ネットワークに長けた人が腕試しをする的な難解極まりない。また近年発売されたモデルでは、詳細設定が全く出来ない等簡素化される程にも限度がありすぎると思いました。またAppleの製品はWindows7以上かApplePCかiPhoneかiPadが必ず必要です。初期状態使うのは非常に危険で不正アクセスされ放題の無暗号化の状態です。パソコンかモバイル端末を使いまず暗号化を設定してから使って頂くようお願い申し上げます。
それではお勧めのメーカーを上から順番に記載させて頂きたいと思います。
補足、基本的に全てのインターネットに対応できます。フレッツ光/ADSL、CATVインターネットにVDSL、マンションの予め設置されていインターネットに導入可能です。なので例えばこれから増えるであろう対話型ロボットのWi-Fi接続用途に以下の製品を買うことでインターネットに繋ぐ事が出来ます。(回線本体は別途必要です。)
- バッファロー
- Aterm
- IOデーター
- コレガ
- エレコム/ロジテック
- 無線LAN親機を選ぶ時の一番気をつけるべき点 ←ここ絶対に読んで下さい
その他ネットギアやdlinkそれにLinksysやHuawei等と言ったメーカーはあるのですが、日本語のマニュアルが少ないサポートが受けられない等の問題があるので個人的には推奨する事は出来ない。
順位に付きましてはぱっと思いつくおすすめメーカーです。バッファローは嘘がないのでお勧め製品第一位にさせて頂きました。また私が2000年からDIONの技術サポートに在籍する頃から無線LAN製品を取り扱っていたので信頼性は抜群です。
Atermは長年NTTへブロードバンドルータを提供しているので安定感は抜群です。4位のコレガの製品ですが、製品自体は良いのですが後で詳しく下記ますが製品に辺りとハズレが多すぎます。5位のエレコムとロジテック製品はものは良いですが誰が考えたの?と言う程通信規格がばらばらで、例えばIEEE802.11acに対応し最高速度は433Mbpsと書いているにも関わらずWAN/LANの速度が10BASE-T/100BASE-TXにしか対応していない製品が存在します。
バッファロー無線LAN親機の特徴
パソコン限らずスマートフォンや家庭用ゲーム機や家電とのWi-Fiの相性は良い方だと思います。またLAN環境を構築するのにとても便利な動作モードを本体後ろにあるスイッチで簡単に切り替えられますし、2013年以降発売のモデルにはルータの用途意外に(補足全ての製品では無い、一部製品は非対応の場合有り)「無線LAN中継器モード」や「無線LANコンバーターモード」として動作させる事が出来ますし、中継器設定やコンバーター設定は2台以上同じ製品を揃える事で無線LAN親機本体の操作のみで設定可能です。例、WSR-1166DHP2。
バッファロー無線LAN親機のここがお勧め
- 設定しやすい(よく言うことを聞く、賢い)
- kagemaruが思う詳細な設定が殆ど出来る
- パソコン以外の端末でも設定出来る
- 動作モードを本体の後のスイッチで簡単に切り替えられる
- Wi-Fiの電波2.4GHz帯は比較的強い(5GHz帯はどのメーカーも弱い)
- Wi-Fi設定も殆ど本体のAOSS/WPSプッシュスタートで設定可能
- プレイステーション/WiiUとの相性もいい
- スマートフォンとの相性良くアプリも豊富
- 一部製品にはVPNサーバー機能があるので自宅クラウド構築しやすい
バッファロー無線LAN親機のここが駄目
- DDNSの自由度が低い
- サーバーを稼働させている環境だと製品寿命が短い(普通に使うには頑丈です)
- 2012年以前の製品ではルータアクセスパスワードが設定されておらず不正アクセスの懸念がある
Aterm無線LAN親機の特徴
製品にむらがあり意外と当たりと外れの製品がはっきりしていると思われます。製品自体頑丈で長持ちなのですが、言うことを聞いてくれない事が時々ありますし、初心者にとても分かり難い設定反映手順操作が必要だったりする事があります。
Aterm無線LAN親機のここがお勧め
- サポートがしっかりしているので無難
- 製品の寿命は長い
- ある程度通信全体の安定度は抜群
- kagemaruが思う詳細な設定が出来る製品と出来ない製品があります
- 一部の製品はIEでは無いと設定出来ない製品も存在する
- Wi-Fiの電波2.4GHz帯は普通以下(5GHz帯はどのメーカーも弱い)
- Wi-Fi設定も殆ど本体のらくらく無線スタート/WPSプッシュスタートで設定可能
- 一部製品ではホームロケーションIPの提供があり自宅クラウド構築に便利
Aterm無線LAN親機のここが駄目
- 本体の動作モード切り替えが言うことを聞かない
- ポート開放するときのIPアドレス割り当てに癖が有る
- 突然言うことを聞かなくなる事がある(設定画面が開かない、設定変更が反映できない等)
IOデータ無線LAN親機の特徴
2013年頃から無難な製品を提供するようになりました。2015年直近では大変使い勝手の良い無料DDNSサービスを提供されているのとPPTPサーバーを持つ製品も登場しました。例、WN-AC1167DGR3。
IOデータ無線LAN親機のここがお勧め
- 製品は頑丈長持ち
- 設定は直感的にわかりやすい
- 本体の動作モード切り替えがとても簡単
- 2015年前後の製品は通信の安定度は抜群
- Wi-Fiの電波2.4GHz帯は強い製品も有る(5GHz帯はどのメーカーも弱い)
- Wi-Fiの設定はどの製品もWPSプッシュスタートに対応している
- 殆どの製品でiobbnetプリセットダイナミックドメインに対応し自宅クラウド構築に便利
IOデーター無線LAN親機のここが駄目
- 2013年以前の製品は設定画面が緩慢で重い(設定し難い)
- ルータのアクセスIDとパスワードが初期は無し、外部不正アクセス懸念有り
- 詳細な設定が少ない
コレガ無線LAN親機の特徴
ネットワーク構築の自由度は低いですが安い製品でも2.4GHzの電波が抜群に強いです。
コレガ無線LAN親機のここがお勧め
- 2.4GHz帯の電波が意外と強い(5GHzはどのメーカーも弱い)
- kagemaruが思う詳細な設定が出来る
- IPフィルタリングが意外と簡単
- 言うことはよく聞いてくれる方です
- 動作切り替えモードも本体に付属します
- Wi-Fi設定もWPSプッシュスタートに殆どの製品が対応でとても簡単
- とにかくkagemaruが見た観点ですがわかりやすい
- 製品価格が安い
コレガ無線LAN親機のここが駄目
- 壊れやすい製品が多い様な気がする(5製品買って4製品1年少々で故障しました)
- ルータの再起動に時間がかかりすぎる。遅い製品だと240秒も再起動に時間がかかる事がある
- ルータアクセスパスワード設定無く不正アクセスされる懸念がある
- ルータの設定画面がフレームページなのでパソコンでしか設定出来ない可能性がある
エレコム/ロジテック無線LAN親機の特徴
ここの製品は有線WAN/LAN側の速度が100Mbpsまでしか出ないのに、IEEE802.11acモード対応で最大速度433Mbpsと表示されている製品があったりと、インターネットの速度が根本的に100Mbpsまでしか出ないのに何故433Mbpsと表記しているのか理解できない事があります。
2015年直近(この記事を書いている日時前後)リリースされた製品の記事です。WRC-1167GEBK-Iと言う製品はLAN側だけ100Mbpsの速度だったり、WRC-1167FEBK-Aと言う製品はIEEE802.11acに対応し無線LANの最高速度はなんと867Mbpsなのに有線WANとLANの速度は最大100Mbpsで一体何をもって867Mbpsと言う設定にする必要があるのか悩む製品が多数存在します。
製品自体使い勝手が良いので私は好きですが、購入するときはスペックに注意しなければならない。
https://www.akakagemaru.info/port/wrc-1167gebk-i-portfw.html
エレコム/ロジテック無線LAN親機のここがお勧め
- 製品の寿命は長い
- 設定は難しいが中継器やコンバータに対応している
- IPアドレスが192.168.2.1の範囲なので競合無く導入できる
- 本体のモード切り替えスイッチで簡単に動作モードを切り替えられる
- 無料DDNS提供があり自宅クラウドの構築に向いている
- Wi-Fi設定はWPSプッシュスタート対応で簡単
エレコムロジテック無線LAN親機のここが駄目
- 2.4GHz帯の無線電波が意外と弱い
- スマートフォンのWi-Fiが安定的で無いことがある
- 各種設定を有効にするのに、有効化にするチェックボックが分かり難い
- 設定を変更を加えるといちいと再起動する必要があり、再起動に最低40秒から60秒はかかる
- Wi-Fiの速度だけ強調し過ぎな側面があり、基礎トラフィック容量を重視していない
説明は以上です。皆様がこれから無線LAN親機を買う場面は非常に多くなると思います。特に家庭内では2台以上設置(出来ればバックアップ用にもう一台予備を買い置きしておく)しなければ快適なWi-Fi環境は得られない事があると思いますし、自宅クラウドを利用する場面も多々出てくると思うのでどの製品が適しているのかもよく内容を吟味してご購入下さい。
それから、無線LAN機器はとてつもなく熱を持ちます。火災に至るほどではありませんが壊れるのでは無いか?と思う程熱くなるので、親機や端末を冷却しながら利用しないと熱劣化で壊れる事がありますので念の為。
コメント